2018/9/10
年々増えており危険視される紫外線については気象庁HPなどにも詳細が書かれていますが、
一部を以下にまとめてみました。
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太陽からの光の中にはそれぞれ紫外線、可視光線、赤外線に分かれます。
地上への到達のしやすさで言うと「赤外線>可視光線>紫外線」となります。
3つの中では紫外線は最も届きにくいのですが、
それでも充分に人に害がある量が降り注いでいるので注意が必要です。
太陽から感じる熱。目には見えないが、日なたと日陰での肌で分かる温度の違いがこの赤外線。
太陽からの光、明るいと感じる原因。
赤外線や可視光線のように目や肌で感じる事が出来ない。
しかし届く割合は可視光線より少ないため、目に見える光に比例しており、
夏の日中ほど高く、冬の夜ほど少ない傾向。
紫外線を表すのによくUVと表されますが、これは英語の「UltraViolet」から来ています。
日本語にすると「超紫」です(笑)。
ではなぜ「超紫」なのでしょうか?
よく光を表すのに上のように虹色の並びになっていますが、
これは光の中の色の波長に寄るもので、虹の色の並びはどこから見ても変わりません。
何となくで分かる方もいると思いますが、
人の目は外側の赤が一番見やすく、内 側の紫に入るほど見えにくくなってきます。
もうお分かりの方もいると思いますが、
この紫より内側=光の中の目には見えない波長という事で、
「紫を超えた波長」→「UltraViolet」→「UV」となります。
案外、豆知識につながりましたね(笑)
紫外線はその波長(地上への到着しやすさ)によってUV-A、B、Cに分かれています。
難しいですが、それぞれの波長の違いは以下のようになります。
種類 | 波長 |
---|---|
UV-C | 100〜280ナノメートル |
UV-B | 280〜315ナノメートル |
UV-A | 315〜400ナノメートル |
数字だけ見ても良く見てもよく分からないですが、
ナノメートルは10億分の1メートルという数字ですからそれの数百の違いで分けているのですから、
科学のすごさを実感します(笑)
この波長(ナノメートル)が小さいほど、エネルギーが強くなりますが、
ナノメートルが中でも最も大きい(エネルギーの小さい)UV-Aが最も地表に届きやすく、UV-B、UV-Cの順に届きにくくなります。
ナノメートルが最も小さい(エネルギーの大きい)UV-Cはオゾン層や大気中の酵素分子に吸収され地表には届きません。
それぞれの特徴をまとめると以下のようになります。
大気中のオゾンなどに吸収され地表までは到達しません。
UV-Cと同様でほとんどは大気のオゾンなどにより吸収されるが、一部は地表に到達します。
日傘や日陰でも大気中のチリや、床や壁に反射して届く事もあり、曇りの日でも油断は出来ません。
肌を赤くする(サンバーン)や肌をヒリヒリさせたりするなどの肌の炎症を引き起こしたり
シミなどの健康被害を起こす懸念があります。
皮膚細胞中の遺伝情報(修復する遺伝子)自体を傷つける事により、間違った情報が流れる事により
皮膚がんの原因となる事から近年危険視されています。
ほとんどが地表に到着しています。
「B」ほど害を起こさないが、長時間浴びると肌に色素沈着を引き起こし肌を黒くするサンタンを引き起こしたり、
肌の中のコラーゲンを変化させてしまい、シミやシワの原因になったりします。
名前 | 地表まで届く? | 健康への影響 |
---|---|---|
UV-C | オゾン層や大気の酵素に吸収され届かない。 | 甚大な健康被害。紫外線の中で最も有害。 |
UV-B | ほとんどは地表に届かないが、反射などして届く為注意が必要。 |
肌の炎症(赤くする、ヒリヒリさせる) 皮膚細胞を壊し皮膚のガンの原因になる。 |
UV-A | ほとんどが地表に届く | 長期間浴びる事によってシミやシワ、肌を黒くする(サンタン)を引き起こす。 |
UV-Bが一部降り注いだだけでDNAの破壊からの発がんしたりと、生命の危機にあるのに、
それよりも強いUV-Cが地表に降り注いでしまった場合は、地球上のすべての生物に甚大な被害を与えるようです。
想像しただけでも恐ろしいですね。
現在、私たち人の身体に有害とされ危険視されているのがUV-Bです。
このUV-Bを含む紫外線は太陽から直接くるものの他に、空気中での散乱光によるものも多く、
薄い雲の日でも晴れている日の80%程の量が地表に届くそうなので少し曇っているからと言っても油断は出来ません。
さらにその他にも地面などに反射する反射光もあります。
この反射によって日陰でも紫外線量は50%程届くといわれています。
単純に太陽の光だけを避けても紫外線対策にはならないのです。
紫外線は夏の日だけ気を付ければよいのでしょうか。
また曇りや雨の日はどうなのでしょうか。
完全に日光が遮断されている時はほぼ無いと考えて良いそうですが、
それ以外で太陽が少しでも出ている場合は、多かれ少なかれ紫外線は降り注いでいます。
また紫外線は雲や大気中のチリ、壁や地面に反射する性質があるので、
夏以外や、晴れていなくても紫外線には注意が必要です。
何度か紫外線が反射すると書きましたが、紫外線はどの程度反射するのでしょうか。
環境省の紫外線対策ガイドブックによると以下のように書かれています。
となっています。
街中では地面のコンクリートや、建物のアスファルトなどで、降り注ぐ紫外線の1割が反射してきます。
日傘や帽子などを使って上からのものは防いでも、横や下から1割来ていることになりますので、しっかり防ぐには日焼け止めも必要ですね。
海でも砂浜で10%〜25%、水面も10%〜20%と街中以上に反射率が高くなります。
海水浴に行く方はしっかり対策されていると思いますが、街中以上に気を付けましょう。
そして以外なのは新雪ですね。よく雪焼けというのは聞きますが、
降り注いだ紫外線の8割が反射して帰ってきます。
紫外線は夏だけ注意しておけば良いと思っていた人はここでがっつりやられます(笑)
スキー、スノボ行く方もしっかり紫外線対策が必要です。
紫外線は夏だけでは無いと書きましたが、では夏以外はどの位の紫外線が降り注いでいるのでしょうか。
上の画像は気象庁が発表している1997年〜2014年の紫外線(UV-B)の月別紫外線量のデータです。
やはり夏の7月、8月が最も紫外線が降り注いでいるのが分かります。
観測地点についても結構な差がある所も注目ですね。
沖縄での紫外線が強すぎて地元の人は海には水着きて入らないと聞いた事ありますが、
このグラフを見て納得です。比較してみると、関東の最大の7月、8月の数値をすでに4月で超えています。
これだけもどれだけ強いのかが分かりますね(汗)
月別で見てみると逆に12月、1月が最も低いのが分かります。
関東ではピークの7月8月に比べ1/5程、沖縄では1/3以下になっています。
しかし冬場でもしっかり紫外線が降り注いでいる事が分かります。
また関東でもまだ雪が降っている所もある2月からすでに紫外線量が増えているところも注目です。
紫外線を受けた量というのは、強さ×時間となります。
弱い紫外線でも長い時間浴びれば、強い紫外線を浴びたのと同じになりますので、
夏場の紫外線をしっかり防いだとしても、その他の季節で対策しなければいけないことになりますね。